政策・提言


 今もっとも必要とされているのは、将来の 「さっぽろ」 という都市がどのような方向を目指し、導いていくかという中期・長期のビジョンです。「平成30年北海道胆振東部地震」の検証を元に、災害に強いまちづくりへ向けた中長期的な防災・減災計画の見直しを進め、住みたいまちから、住んでよかったまちを実感していただくために、一つひとつ政策を詰めていかなければなりません。

 

 全国20政令指定都市の比較データによると、札幌市は「一人当たりの市税収入」が全国2番目に低く、数値が大きいほど財政力が低いことを示す「地方交付税額」が最も多い状態です。一方、「生活保護費」は全国2位となっており、社会保障費の負担増によって市の財政はひっ迫しています。
 今こそ、自主財源比率を高め、財政基盤の強化が急務であります。札幌市の9割以上をしめる中小・小規模事業者の支援対策と企業誘致のための企業立地、そして新規企業への創業支援など、経営者・就業者双方の視点に立った施策を推進します。 

 

 また、2020年を境にいよいよ札幌市にも人口減少社会が訪れました。少子・高齢化の時代にあっては確かなビジョンに基づき、しっかりとした行政運営が今こそ求められています。市の人口動態統計では、60歳以上の転入超過数が多く、20歳代の若者が道外へ転出傾向が多いのが現状です。
 お年寄りを支える生産年齢人口が減少するなか、結婚・妊娠・出産・子育てと切れ目のない支援体制づくりと、ひとり親家庭への支援、さらには教育・就職・再就職、介護・福祉と様々な立場や年齢の皆さまの声に耳を傾けなければなりません。そして地元企業への若年層の就業支援や女性の活躍を応援する事業を推進します。


重点政策


災害に強いまちづくり

  • 「平成30年北海道胆振東部地震」においては、東区でも震度6弱を観測し、大規模な路の陥没や家屋の損壊、そして全道に及ぶ停電など、私たちの生活に大きな影響がありました。この度の検証を元に、災害に強いまちづくりへ向けた中長期的な防災・減災計画の見直しを進め、地震や豪雨といった災害に強いまちづくりを推進します。
  • 上下水道など老朽化したインフラ整備の見直しを進めます。
  • 災害・防災計画を見直し、安全・安心なまちづくりを推進します。
  • 地域力を高め「地域を育てる」町内会活動を積極支援します。

妊娠・出産・育児支援

  • 結婚、出産などライフスタイルが変化しても働き続けたいと希望する女性に対し、働いている段階から産休・育休、職場復帰などについての知識を習得する機会を提供し、生みたい時に安心して生める環境づくりを推進します。職場の育ボス(出産育児に寛容な上司や経営者)を育成し、夫婦が共同で育児に取り組める体制づくりを推進します。
  •  保育園の待機児童ゼロに向け、特に0歳児、1歳児の受け入れ体制強化に向けた取組みを推進します。

子育て・女性活躍支援

  • 札幌市は他の政令指定都市と比較して、総人口に占める女性の割合が高く、女性の活躍は札幌経済の活性化には欠かせません。特に25歳〜34歳の育児中の女性のうち、就職したいと思う割合は約60%である一方で、実際に就職活動を行っている方は約12%となっており、ライフステージに応じた女性の就労支援を促進し、企業側の受け入れ環境整備と就労者側の支援を一体的に推進します。
  • 子育て女性の就労への不安を解消し、継続的な求職活動につなげていく取り組みを増やし、女性の再就職支援を推進します。

教育機会均等の推進

  • 学びたいという意欲を持つ全ての子どもたちが進学できるよう、幼児教育の振興と無償化、高校生等奨学給付金の充実、大学生等への給付型奨学金制度の創設等、教育費負担の軽減を進め、教育の機会均等に向けて国への働きかけを進めます。
  • 学力強化はもちろん、いじめや不登校、発達障害等への対応力強化のために、教員の能力を高めるとともに、スクールカウンセラーや特別支援教育支援員の配置拡充を推進します。
  • 学校教育は子どもの学習の場であるとともに、地域コミュニティや防災の拠点としての役割も果たすため、引き続き耐震化対策やトイレ等の老朽化対策等の環境整備を推進します。

地元企業への就業支援

  • 市内全区での就業相談や合同企業説明会、市内企業の情報PRなど学生への就業機会の創出を推進します。
  • 若年層の正社員就職促進と早期離職防止に向けた若手社員研修の支援を推進します。
  • 将来を担う子どもや親を対象にした就業体験や製造業、建設業などの職場体験などを通じ職業観の育成を推進します。

人材確保と育成支援

  • 札幌市の90%以上を占める中小・小規模企業の採用力強化と担い手の確保・育成を推進します。 
  • 札幌市の学生は半数近くが道外へ就職している現状にあります。首都圏での札幌への就職相談窓口を開設し、UIJターン推進体制を強化し、道外からの人材獲得を目指す企業への支援を推進します。
  • 札幌の理系学生は60%近くが道外へ就職しています。IT産業などの技術経験のある人材や首都圏に進学した学生の札幌企業へのUターン就職促進を推進します。

中高年の就労支援

  •  札幌市は高齢者の割合が他の政令指定都市よりも高く、潜在的な労働力である高齢者の就労支援は、働く意欲のある高齢者に絞った就労支援を行っていく必要があり、高齢者の採用に意欲のある企業の発掘を図るとともに、高齢者と企業をマッチングさせる取り組みを推進します。
  • 高齢者に特化した再就職支援セミナーの開催や就業希望に合致した資格取得、職場体験機会を提供し、高齢者の就労を促進する事業を推進します。